「即興とマニュアル」

仕事をしていると、マニュアルの必要を感じる場面は多々あります。

撮影でも同じで、受付からご案内、撮影の流れ、写真選びまで、ある程度の基準があることで、お客様に安心していただきやすくなります。

特に初めてスタジオへ来られる方にとって、“何をされるか分からない”という不安は意外と大きいものです。

だからこそ、基本の流れや積み重ねてきた型は、大切だと思っています。

ただ一方で、現場では「マニュアル通りだけでは難しい」と感じることも少なくありません。

例えば、同じように声をかけても、

「たくさん話した方が自然になる方」

「静かな空気の方が落ち着く方」

「最初は緊張していても途中から笑顔が出る方」

本当に人それぞれです。

こちらが”良いと思っている進め方”でも、その方に合っていなければ、表情は少し硬くなったりもします。

だから撮影では、目の前のお客様に合わせて、その場で少しずつ変えていく感覚を大事にしています。

撮影のテンポを変えたり、ポーズの説明を減らしたり、逆に細かく安心材料をお伝えしたり。

ここはマニュアルの通じないところです。

実は、そういう小さな“即興”の積み重ねで、空気が変わることがあります。

もちろん、即興だけでは安定した仕事にはなりません。

土台となる経験や型があるからこそ、その場に合わせて動けるのだと思います。

マニュアルは基礎であり「安心」をつくるもの。

即興は「その人らしさ」を引き出すもの。

どちらか片方ではなく、そのバランスが大切なのかもしれません。

答え探しは都度、手探りになります。

これから型も大切にしながら、目の前の空気や表情を見て、その瞬間にしかない一枚を探しながら、撮影して行きたいと思っています。  店主

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